ノーベル賞。ここ最近授賞式が中継されニュースでもよくやっていました。
文学賞にボブ・ディランさんが受賞(当日欠席)したり、今年の中ごろから騒がれてノーベル生理学賞を受賞された「大隈良典」さんも受賞しましたね。
(生物の細胞が自食しリサイクルや生物のタンパク環境の維持などをする「オートファジー」の仕組みを解明)
受賞自体は少し前ですが、日本国籍時の研究として物理学賞の「中村修二」さんの革命的な「青色発光ダイオード」なんかも個人的には印象深く覚えています。
さて、化学や文化等の最高峰と言われるこのノーベル賞。結局この賞ってなんなんだろう?なんて方も「実は」多いんじゃないでしょうか??
とりあえず受賞されたらすごいんだ!モンドセレクションと一緒一緒!なんて感じ方ではもったいない。
今回はノーベル賞の設立の意味や仕組み等を書いていきたいと思います(*・ω・)ノ
ノーベル賞とは
ノーベル賞とはダイナマイトを産みだしたスウェーデンの科学者「アルフレッド・ノーベル」の遺言から始まったものです。
ノーベルの発明したダイナマイトはそれで迄に使われていた爆弾や爆薬より安全かつ強力でトンネル工事などの土木作業の工程に大きな貢献をしました。
しかし夢のような発明の犠牲も大きく、ダイナマイトの原料であるニトログリセリンでの事故やノーベル自体の弟の死亡など多くの犠牲を払いました。
それ以外でも戦争時に使われ、自分の発明により多くの命を奪ってしまった事を悔やみ、悲しんだノーベルはダイナマイトを発明した利益で得た莫大なお金を「平和」と「科学」の発展の為に使いたいと考えました。
ノーベルが亡くなる前に自分が死んだ後の遺産を平和に繋がる研究や活動に役立てて貰うため世界の人々に
自分の遺産を「賞」と共に授与するように遺言が残されたものが「ノーベル賞」なのです。
(ノーベル賞の授賞式は毎年12月10日の午後4時30分から行われており、これはノーベルの亡くなった同じ日にち同じ時間です)
ノーベル賞の部門・選考方法
- 物理学賞
- 化学賞
- 生理学・医学賞
- 経済学賞
- 文学賞
- 平和賞
ノーベル賞には6つの部門があり、1年間各部門に3人までの受賞が送られます。
(3人までなので1人だけの受賞ももちろんあります)
受賞者には10月に電話で知らされ、12月の授賞式でメダル・賞状・賞金が受け渡されます。
選考方法は公にされていませんが、ノーベルの遺志である「人類の平和に繋がる発明や研究」「人類の為になる作品や活動」を中心として選考委員が様々な分野から選ぶと言われています。
このノーベル賞は、受賞の年に発表されたものでないといけないのではないので、何十年も前の研究や活動に贈られることもあります。
ノーベル賞の問題点
ノーベル賞が設立されてから約100年。受賞者の国や宗教、人種は関係せず、様々な受賞者の発見が今日に役だっています。
- ビルヘルム・レントゲン(物理学賞)
X線の発見。医療ではおなじみの「レントゲン」
- マリー・キュリー(物理学賞・化学賞)
放射能の研究、「ラジウム」の発見。ラジウムは放射線治療に使われている
- ロベルト・コッホ(生理学・医学賞)
「結核菌」の発見、治療法の確立。
- チャールズ・タウンズ(物理学賞)
「メーザー、レーザー」の発明。現代のレーザー技術の父。
などなど挙げていくときりがありません。
しかし絶対的に平和につながる人しか受賞させてきたわけではありません。
その発見や発明が別の技術に転用され、平和とはかけ離れてしまう事も。
- エガス・モニス(生理学・医学賞)
前頭葉白質切せつ手術(ロボトミー)の確立。
- フリッツ・ハーパー(化学賞)
肥料開発の為のアンモニア合成の解明。塹壕戦の毒ガスに使用される。
- オットー・ハーン(化学賞)
原子核分裂の発見。原子力爆弾開発の鍵に。
本来の発見としては素晴らしいはずが、その研究発明を発展させることによって戦争用の大量殺戮兵器を作り出してしまったり、発見が早すぎて実際には有害な発明だったりします。
(蚊を退治するためのDDT殺虫剤など)
問題点というのは言い過ぎなのかもしれませんが、こういった理由から各国からバッシングや議論を起こしていることも事実です。ノーベル賞の本来の遺志である平和への有効利用がされないのは悲しいですね。
これからの受賞者の技術や発明が誰かの手によって悪用されないでほしいものです。
まとめ
- ノーベル賞はアルフレッド・ノーベルの平和への遺志
- 受賞者への連絡は10月、授賞式はノーベルの命日12月10日
- 部門は6つある。各最大3人まで受賞
- 受賞者の発見は偉大な物が多く現在にまで使われている
- 全てが平和につながるわけでなく、発明を悪用され兵器になる場合も
現在日本人の受賞者は25人。2014年には物理学賞を3人で総なめにしたりと日本人受賞者もゆっくり増えてきています。
老齢の方ばかりが受賞しているイメージがありますが、世界が賞賛を贈る研究という物は一朝一夕では完成しない事も一つの要因です。
今年の受賞者の大隈教授は御年71歳。いまでも研究室にて顕微鏡をのぞく毎日だとある雑誌に書いてありました。
様々な議論や必要性などを問われていたりもしますが、素晴らしい研究や考えを次の世代にしっかり渡せるかもしれないノーベル賞。
これからも人類の明るい技術改革の為に続いていってほしいものですよね!
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