コラム

鮭は赤身?白身??

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以前ふとしたことからメニュー開発の手伝いをしたのですが、赤身魚と白身魚の調理の違いを話しているときにふと思ったのです。

案外赤身と白身の区別や理由を知らない人が多いな と

パッと見ですぐわかると言えばわかるのですが、あえてコラムにした方が面白いかな・・・。と思ったので今回はそんな赤身と白身のお話です(*・ω・)ノ



以前作成した二色刺身。サーモンとビントロです

赤身魚とは?

赤身の魚と聞いて真っ先に思い浮かべるのが「マグロ」ですね。

実は「回遊性の青モノ」は全部赤身魚です。

焼いてみると白くなったりしますが、サバやイワシ、サンマも赤身魚なんです。

ここでいう「赤身」は色ではなく「筋肉の種類」で区分します。

人間や生物全般に言える事なのですが、筋肉には
「速筋」
そっきん

「遅筋」
ちきん
と呼ばれる2種類の筋肉があります。

速筋は「瞬発力」を生み出すのに秀でていて、遅筋は「持久力」を生み出すことに秀でています。

赤身魚はこの「遅筋」が発達している魚のグループです。

回遊魚とは「休みなくずっと泳いでいる」事が特徴です。

泳ぐことをやめてしまうとエラで酸素を取り入れられなかったり、浮き袋が無いため浮かない為に泳ぎ続けなくていけないと魚の種類によってさまざまです。

赤身魚は瞬発力よりエネルギー効率を重視しているので、タンパク質効率がとても高く、白身魚よりその他の栄養が豊富な利点があります。

難しい話を書いていくのであればミオグロビンが多く、全ての赤身がそうではないのですが臭みが強くなりやすいです。うまみ成分でもある「イノシン酸」の分解が早い魚も多いことも一つの理由です。

赤身魚のもう一つの大きな特徴ですが「真っ赤、濃い赤の血合いがある」事も赤身魚を判断する一つのポイントです。

アジの仲間であるブリ(ハマチ)も回遊魚ですので分類的には赤身魚なのですが、一般的には白身魚として扱われることが多いです。

ここら辺は「調理」としての知識と「魚生物」としての学問が違うのでここら辺でw

味に関してですが、脂身が多く味は濃厚。ずっと泳いでいるため筋肉が引き締まっているため火を通すとパサパサなるのが多いです。

白身魚とは?

赤身魚が「遅筋」であるなら、白身魚は「速筋」を有する魚のグループです。

この速筋は瞬発力を必要とするものですが、赤身魚と違い普段はのんびり泳いでいたり群れを作らない魚が多いのが特徴です。

白身魚で有名なのを挙げるとするなら「タイ」や「ヒラメ」「スズキ」などでしょう。

ちなみに「鮭」は白身魚です。鮭の赤く見える身は蟹などにも含まれる「アスタキサンチン」の効果によるものです。

赤身魚と比べると血合いを含む色素タンパク質が少ないのですが、栄養がないという事ではありません。

赤身と比べると「ヒスチジン」と呼ばれるアレルギーの原因になる成分が少なく、脂肪分も少ないです。

味としては淡泊な素材そのものを味わえるので赤身と違い様々なソースや調理方法に制限が少ないです。

爆発的な瞬発力を生み出すための速筋が発達しているので身は硬く引き締まっています。

これにより刺身にするとコリコリの食感を得られ、旨み成分であるイノシン酸の分解が遅い傾向の魚も多いため、すぐに鮮度が落ちていく赤身魚より「少し寝かせた方がいい」所も特徴の一つです。

※実際は卵の有無や魚の種類によって調理方法は変えていきます

刺身の状態では硬く引き締まっている白身魚ですが、赤身と違い火を加えることによって身が崩れやすくもあります。

高齢者や離乳食への使用、血合いや色素タンパクが少ないため臭みも軽減されているので赤身とは違った魅力のある魚です。

まとめ

赤身魚と白身魚の違いは「筋肉の種類」

赤身は「遅筋」が多く脂が多い

白身は「速筋」が多く脂が少ない

本来の魚の区分では「ブリ」は赤身だが白身として扱う所も

赤身は「火を通しても強く、味が強い」

白身は「火を通すのは弱く、味が弱い」

こんなところでしょうか?もちろん大まかな分類ですので、本気で調理する場合魚自体によって変えなくてはいけないのですがね汗

白身魚は火を通すと崩れやすいのですが、高い水圧を受けている「ヒラメ」なんかの深海魚系のお魚は身が崩れにくかったりしたりと魚料理は奥が深い物です。

そう考えると一般的な肉料理では「鶏・豚・牛」の3種類ですが、魚はとても豊富ですよね。

和食か洋食かでかなりの下ごしらえの違いなども出てきますし、魚料理をマスターするのは本当に難しい・・・。

私は赤身魚も白身魚も両方好きなのですが、青魚が駄目!!って人を結構見かけるんですよね。

 

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