ネジ。
身の回りの物を見回すと大量に溢れています。
車、信号、パソコン、スマホ、何もかも機械っぽい物や金属、はては木製の物にまで使用されているネジ。
タッピング、皿ネジ、軽天ビス、ドリルネジ、トラス・・・・
種類もとても豊富で一応規格は存在するものの、全部の把握はほとんど無理と言っても過言ではありません!
私も頻繁に分解・組立などをするのでネジはかなり身近な存在。
さて、一部特殊なネジをのぞき、ネジを締めたり緩めるためにはドライバーを使います。
このドライバーの種類はプラスとマイナスが多数です。
ネジ穴には六角、四角、一方式、三角、トルクなど特殊なネジ穴も存在しますが、大多数がプラスネジ。たまにマイナスネジもみかけますよね。
さてこのプラスとマイナス。
この違いっていったいなんだろう?なんて疑問が湧いてきませんか?
今日はそんなネジのお話です(*・ω・)ノ
プラスネジは新参者
まずはプラスネジ、マイナスネジの歴史から。
ネジ自体が一般に使われるようになってからはすでに約500年の歴史があります。
元来ネジはマイナスネジが主流。プラスネジが世に生まれたのは100年もありません。
アメリカの「ヘンリー・F・フィリップス」はマイナスネジの穴が潰れたり、ドライバーが滑る事に不満を覚えていました。
「マイナスだからいけない!プラスにすればしっかり穴にはまるはずだ!」
意外にもこんな簡単な穴の形状をフィリップスが発案するまで誰も思いつきませんでした。
こうして1935年に「プラスネジ」が生まれ世界的に使用されるようになりました。
日本で使用されるようになったのは1950年頃。持ち込んだのはかの有名なバイクメーカー「HONDA」の創業者である「本田宗一郎」氏。
海外視察の時に見た「プラスネジが使用されたバイク」に衝撃を受けこれからはプラスネジの時代が来る!と日本に広めたのはネジ界では有名な話です。
マイナスネジは「汚れが多い所に」
本題に入りますが本来マイナスしか使われていないネジはプラスネジの登場で使い分けられるようになりました。
現代ではほぼ完ぺきに別れてしまい、マイナスネジはさほど多く見かけることはありません。
プラスとマイナスは使用場所によって変わります。
プラスネジの穴は汚れが詰まったり錆びついてしまうとドライバーで回すことが困難になります。
困難なだけならまだしも最悪の場合回らなくなり二度と抜けない面倒なネジになってしまう事も。
そのため使用場所が泥や水場の近くなど汚れることが想定される場所には優先的にマイナスネジが使われています。
マイナスの穴であれば汚れを掻き出すことも容易ですね。
プラスの穴は中心部が深くなっていることもあり、やはり汚れが詰まってしまうと清掃も大変です。
マイナスの場合は溝が一方向にしか無いので水がたまらないという利点もあります
- 人に踏まれて汚れやすい電車の床パーツや
- ホコリが溜まりやすい開閉部分の蝶番
- 雨ざらしになる電柱の一部
- 狭い部分でドライバーが入りにくくコイン・硬貨などであけられる機械
などなどにマイナスネジは使用されています。
時計、アンティークには「プラスネジは使われない」
もうひとつのマイナスネジを使用する理由として海外の高級腕時計やアンティーク家具などではマイナスネジが使われます。
古き良き味を出す為、プラスネジは安物の印象がある、そんな理由からあえてマイナスネジのみを使用しています。
わざわざマイナスネジを錆びさせて修理に使用したり、マイナスネジだからいい!なんて人は意外に多いのです。
日本ではG-SHOCKなどのモデルにあえて飾りのマイナスネジを使用していたりします。
まとめ
- プラスネジは歴史が浅い
- マイナスネジが使用されるのは汚れる事の多い場所
- またはデザイン・雰囲気を重視されるモノに使われる
ちなみにプラスネジ最大の利点は「締めはじめから、片手でネジを締めることができる」所です。
マイナスネジは締める時にどうしても支えが必要です。
その点プラスネジの場合片手で締め始める事ができます。
これによって作業効率が格段に大きくなったところがここまでプラスネジが繁栄した最大の理由とも言えるかもしれません。
ネジの話にはその他にも・・・
「時計回りで締める理由」
「締めすぎると緩んでしまう理由」
「ネジは日本語(螺子)」
「ビスはフランス語(vis)」etc…
技術も進歩していて、2つのネジを組み合わせて抜けなくするネジや2つのナットが合体して外せなくなるネジ、人体の内部に使用する用の特殊なネジなど、どんどん種類が増えているネジ。
話し始めたらきりがない奥深い世界が広がっています。
こういったネジの話は調べていくと面白いので興味が湧いた方はネジを調べてみてください!
そんな話の「締り」が悪い状態で今日の記事はおしまいですw
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