依頼品工作・実験(なんでも)

【依頼品】ネックレスの石を作る

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さてさて今回は結構ガチ目な依頼ですね。
ペンダントヘッドの修理です。デザインとしてはいくつものターコイズという天然石がハマっているのですが、そのうち1石が外れてしまったようです。

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こんな感じ。接着面を見たところゴム系?接着剤を使用しているっぽい??

紛失してしまったらしいので同じサイズ感の石をどこかで入手して修理するか、石自体を切り出すか、まぁそこらへんでサッと対応したかったのですが、結構小さい石かつオーバル形なので同じサイズの石を探すのが少し手間です。

正確に言えば1個だけ入手するのが難しいんですよね。それならこれより大きめの石から切り出して・・・なんて思いますが、それはそれで費用がまぁまぁ掛かるので依頼者さんと打ち合わせしてターコイズのイミテーション(偽物)を作成する事に変更。

というわけで今日はネックレスの飾り石の修理です(*・ω・)ノ

どうやってイミテーションを作っていこうかな

とりあえずおおまかな作成方針としては

  • 素材は何かしら硬く変化しないもの
  • 色は後から塗装して本来の石の色に近づける
  • 最後のコーティング

石の代わりになるので当然そこそこの強度が欲しいです。
もちろん石レベルで硬いものが良いのですが、オーブン焼成するタイプの粘土などはのちほど塗装時にメが荒すぎて向いていない。
黒壇などの木材も強度や艶なんかは文句無しなのですが、大きさ的に加工難易度が上がるため難しいですね。
レジン素材類も削り出しなんかには向いていないですし、といろいろ考えた挙句値段的にもそこそこの強度を持っている「エポキシパテ」に決定。まぁなんだかんだ使いやすいんですよね

色合わせはまぁ手持ちの塗料で何とかなりますね。
問題は艶ですね。色を合わせた後に素材が違うもの同士をどうやって同じぐらいの質感に持っていくかが難しいんですよね。コーティングが完璧すぎるとピッカピカになりすぎちゃうし・・・

ま。あとで考えるか。

とりあえずおおまかな方針が決まったのでとりあえずブローチにはまる予定の石のサイズをかたどって寸法を合わせていきます

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オラァッ!スライムをくらえっ!!
ではないです。型取りの強い味方「おゆまる」ちゃんです
熱を加えると粘土のように柔らかくなり、冷えると固まります

再利用が簡単ですし、使いやすくてこれぐらいの大きさなら簡単に同じ形をとれます

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おゆまるちゃんで取った「凸形」を取って冷凍庫にIN
10分ぐらいでかなりガチガチになるので次はもう一個のおゆまるさんで「凹形」をとります
ペンダントヘッドにそのままパテで型を取れれば楽ちんなのですが、汚れますからね

材質のわからないモノは下手に薬剤や塗料をつけられません
いきなり溶けたり変色したりと結構手が付けられなくなりますから・・・

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さきほど取った「凹形」のおゆまるさんに2剤パテのエポキシパテで型を取っていきます
石の大きさは全部違ったので紛失した石のイメージをなんとなーく取る程度で大まかに成形します
完全に同じ大きさの石しか使われていないのであればある意味楽だったのですが・・・

とりあえず予備なども合わせて計4つほど
足りなければまた作れば良いですから

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ガチガチの硬化をする前にデザインナイフで切り出しておきます
大まかに円形を作っておくと後が楽ですね

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仮ではめてみた状態
圧倒的に大きいですねw

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ここからは根気のいる作業です
ひたすら研ぐ!!!これだけ!!!
厚みや丸み、バランスをみつつ整えていきます

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ハマる予定の場所に並べて微調整
正直プラモデルの面取りやゲート処理の方が簡単。

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大体似た大きさになってきました
ここからは耐水ペーパーも#2000とかを使っていくのでほとんど削れない状態で形を合わせます

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2000番台で素材自体の艶を整えたうえで塗装用に本当に1まわりだけ削ります
塗膜が形成される分厚みが増しますからね

色合わせして塗装していきます

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さて、一度しっかり袋に入れて保管。こうしとかないと無くすからな!!
次は塗装用の色を合わせていきます
これ本当に難しい・・・。今回のターコイズのカラーは緑を感じる色だったので水色ベースに濃い緑色を足して微調整していきます

明度がゆっくり下がっていくので下がりすぎた場合はガイアノーツのアルティメットホワイトでまた明るさを上げていきます

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塗料皿での調色ができても塗料あるある「塗ったら色が違う現象」があるので試し塗りしていきます
さきほど作ったパテの玉たちに試し塗りすることで本番でもほぼ近い色になるはずです
(塗料の色が同じでも塗る場所、素材、下地の色で完成品の色が変わるため、同じ材質のモノに塗って確認するとズレが起きにくい)

写真だとわかりにくいですが、一番左が没の色。青が強いので実物と色が違います
その後何度かチェックして採用色が出来上がりました

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今回はエアブラシで塗装せず、筆塗りで塗っていきます。理由が2つあって

①塗膜が厚い方が良いため
②ゆっくり乾燥させたかったため

今回はコーティングを厚く取れないため塗料面そのものを分厚く作りたかったんですね
コーティングが厚くも取れず、塗料面も薄い…となるとペンダントであることを考えた時に汗が付着した時の変色や塗料剥がれなどが考えられたからです
ゆっくり乾燥させるのもこういった球体状の素材であれば表面張力で自然な艶を出していきたかったからです

エアブラシでもやれないこともなかったですが、パーツ自体が小さいためバランスの悪い厚塗りになる可能性や何回も塗らなければいけなかったりと無理に採用する理由がなかったためですね

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乾燥機に1日入れて、コーティングをかけて装着!!
はい。どれが今回のイミテーションでしょうか??

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正解はこちらの石です!
まず言われないとわからないですし、少し遠めに見たら確実にわからないとおもいます

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さて、装着といっても完全に接着していなかったので土台の接着面を綺麗にしてから接着剤で完全に固定していきます
今回はパテと金属なので特殊な接着剤を使う必要はなさそうですね

他の石のクリーニングをして、全体の艶や色合いを見ながらポリマーコーティングして完成!!

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上手くいってほっとしましたwww

こういった作業は色合わせが一番エグイ

今回はうまくいきましたが、努力はしたものの、なんだかんだ運が良かったかもしれませんw
単色(ソリッド)の石なのでキャンディ塗装や車のマイカボディカラー(キラキラしたメタリック)などだと難易度が爆上がりします。

塗料はどうしても乾燥時や素材自体の色味などで完成色が変わるので、まだまだ研究が必要ですねぇ・・・。
わざわざこういったレプリカを作ったのは実際初めてだったのでこちらとしても良い経験ができました。なにかしらこういった技術は意外な所で役に立つことが多いので。

今回費やした日数は約3日程度だったような?実際の作業時間は8時間程度だったでしょうか?
納品時には喜んでもらえてやはりこういう修理系の仕事って好きですねw



コメント

  1. ナルカナ より:

    こんにちは。無くなった物を作るのは大変な作業だなと感心させられました。自分は、プラモでさえカスタム出来ないので、凄い匠ですね。

  2. やがみん より:

    >>1
    わー、そこまでストレートに褒められると嬉しいですw
    プラモのカスタムって難しいですよね・・・。フルスクラッチやミキシングビルドとかも興味がありますが私もなかなか手を出せず終いです。
    凄い匠だなんて恐縮です。もし何かありましたら是非お声掛けくださいw

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