以前に修理をしたことのある任天堂Switch用ホリパッド。
純正コントローラーと同じ様に本体に取り付けて操作性を向上させ遊べる優れもの!です。
スマブラ勢なんかが愛用しているイメージでかなり使いやすいコントローラーですね。
ジャイロ機能はついていませんが、携帯モードで遊ぶにはこれ以上の物は無いのでは??レベル
さて、そんなホリコンですが友人から「オーバーホールをして欲しい」との依頼が。
正確には「Aボタンと十字キーの操作感が悪くて直したい」との事。
ゲームのコントローラーあるあるの症状ですね。
簡易清掃で直る時もあれば、基盤ごとの交換になったりとりあえずバラしてみないとわからない場合が多いんですよね。コントローラーって。
というわけで一度お預かりして分解・清掃をして、なんとか直るといいんですけど・・・??
みたいな感じで本日はコントローラーのオーバーホールと行きましょう(/・ω・)/
HORIグリップコントローラーOH
コントローラーの不調原因
さて、まずはコントローラーの不調原因となる点の説明といきましょうか。
これはゲームコントローラー全般に言えることでもありますし、ボタン式で反応する機械全般に言えることです。
- 帯電ゴムの摩耗
長年使用しているボタンでよくある問題の一つです
ボタンの仕組みは大体の物が「プリント基板」に「帯電性ゴム」が接触して反応します
帯電性ゴムが触れることによって通電し、一般的なスライド式スイッチのようにON/OFFが入力されるわけですね
さて、この帯電性ゴム部分が摩耗しているとただのゴムです=電気が通りません
これによって入力がされないわけですね
ゲームコントローラーでもそうですがこれはテレビのリモコンなんかでも良く起こる問題です - 基盤側の汚れ・錆び
帯電性ゴムが問題無くてもこちら側に問題がある場合もあります
何かしらの原因によってホコリや汚れが混入しての接触不良、水分が回った為の錆の発生などでも入力ができなくなったりもします
この水の問題はこういったコントローラーなどでは良く起こる問題ですね
お風呂上りに遊ぶ→湿気がゆっくりと回る→密閉性が高いものであれば水が抜けずにさびや固着するため反応がしなくなるパターンです - なにかしらの断線、基盤側のリード不良
先ほどまではボタン自体の物理的不良ですが、こちらは基盤側の問題だったり、コネクターやケーブルなどの破損による入力不可状態です
この問題の場合ケーブルを修理、基盤の場合はハンダで修復、最悪基板交換になります
とはいえこのレベルの故障の場合はそもそも入力が全く効かない為今回は多分違うかも??
と大体がこの3パターンに分かれると思います。
あくまでこれらはボタンの場合なのでゲームコントローラーのスティックはまた別になります。
コントローラーのスティックは全方向入力型のセンサーになるので故障している場合ユニットごとの交換になるのが一般的です。
大体は「ホコリや脂の侵入による接触不良」が多いイメージですので接点回復剤などですぐに直るパターンが多いです。
Nintendo switchやPS4等のコントローラーは使用していくうちに軸部分が摩耗、削れカスがそのままスティック基部に蓄積し誤作動を起こすなんてことがあります。
スティック基部ユニット自体の分解清掃は困難ですので簡易的な清掃で対応するのがほとんどです。
スティック基部を含めたゲームコントローラーのメンテナンスやボタン類のメンテナンスなどは
以前記事にしてまとめておりますのでもしよろしければこちらの記事を参考に↓
こういった分解をする時に大事なのは「目途をつけておくこと」が大事です。
分解後自分の予測と違った場合どこまでやるのか?がズルズルと伸びていくので。
分解していきましょう!
!自己責任でお願いいたします!
HORI製コントローラーは+ドライバーのみで開けていく事ができます。
スイッチ基部接続部からはリボンケーブルが伸びている為切断しないように注意!!
ネジを外した後ゆっくりサカナの開きを作るイメージでバラすと良いですね。
右・左両側ともほぼ同じ作りをしています。
リボンケーブル断線が怖い場合は基盤部からラッチを外してあげることによってケーブルを取り外すことができます。
下の2本は基盤のみ。内部ネジは左コントローラーは計4本、右コントローラーは計5本でとまっています
基盤同士がピンコネクターで繋がっています。焦らずに真っ直ぐ引き抜くのが大事
曲げながら抜いたりするとピンが曲がるので注意。これが一番難しいですね
写真は左コントローラーです
!注意点!
このHORIコンの難易度はピン抜きもそうですが「L・R」ボタンの基盤部を引き抜く点も難しいです
細い銅線のみで接続されているので断線に注意したいですね。
抜き方のコツとしては「LR基盤を先にペンチなどで優しく抜いておいて」通常基盤を上に引き抜くイメージです。
絶対に焦らないでゆっくりやるのが大事です!!
先ほどと同じくこちらもピンがあるので真っ直ぐ引き抜きましょう
こいつらは汚れているので一気に洗ってやることに
あまり汚れていなければ適当に拭き掃除するだけでOK
基盤部のチェック
ただ全部が接着されているわけではないので少し持ち上げてエアダスターを吹いていきます
接点は痛んでおらず、帯電ゴムの剥がれも少ない為、今回は清掃のみで仕上げます
とりあえずここにエアダスターをぶちこんでしっかりとホコリを飛ばします
大体スティックユニットはこうした四角い形状なのでひたすら間からエアダスター
必要があればほんの少しだけ接点回復剤を流し込んでグリグリと馴染ませます
ボタン部に接点回復剤やコンタクトスプレーなどを塗布する場合はほんの少しで大丈夫です!
本当に「チュ…」ってぐらいにごく微量でしっかりと作動するので。
あまりかけすぎた場合乾燥もせず、それはそれで誤作動の問題になるため控えめが肝心ですね。
外装部の洗浄
実はここに入れる前に予洗いをして、超音波洗浄機にて大まかに汚れを落としています
お湯に重曹を入れて5分ほど放置。重曹は手垢等の汚れに強いので
ペーストにすれば簡易研磨剤になるし、タバコのヤニなんかも良く落ちますよ
アルカリ電解水といい100均で手に入るようになっているなんていい時代ですよねぇ
うーん!ピカピカになりますねぇ!!最後はしっかりとお湯で洗い流しておきます
これでもか!!ってぐらいにすすぎ大事です。洗剤が残らないようにするのって凄い大事なんです
本来の黒プラスチック色がしっかりとでています
半透明なスモーククリアシェルも美しく戻りました!
ゲームコントローラーあるある溝のよごれもしっかりと綺麗に!
HORIコンはここにかなり負担がかかるのか分解時には粉が大量に出ていました
分解時と逆の手順で戻していく
いやー、かなり綺麗になりましたね!あとは最初と逆の手順で戻していくだけです
流石に新品!とまではいかなくても中古美品程度までには回復しましたね!
写真での紹介はできませんでしたが、基盤に焼け?みたいな部分がいくつかあったのでそれらもエレクトロニッククリーナーなどで清掃しています。
LR基盤は取り外し時は大変ですが、組み立て時にはさほど難しくないです。
本体接続基部にも清掃後の接点回復剤を塗布しています
スティックは結構ギリギリの寸法でしっかりと外装にはまっているので、組み立て時はゆっくりと確認しながら真っ直ぐ入れましょう。
そもそもコネクタピンの問題上真っ直ぐはめ込まないといけないですから。
しっかりと完全回復!
見た目が綺麗でも動かなければ意味が無いですからね!
サクッと起動確認をして、本体設定からコントローラーの感度確認をしていきます。
案外知らない人が多いのですがこれを知っていると誤作動チェックなど含めて便利です
と、問題なく動作しているので無事しっかりとオーバーホール完了しました!
今回はパッと見汚れていたり、印刷されている文字が消えていたので結構痛んでいるかと思いましたが…そこまででは無かったですね。
外装やボタン類を洗浄したためか、ボタンのクリック感が完全に復活!
目に見えないホコリや汚れって結構こういった所にしっかりと現れるんですよね…。
しっかり動作チェックも終わり依頼者さんにも確認してもらって問題なく動いたので安心しました^^
ゲームコントローラーなどは故障時に新しいのを購入すればいいとはいえ、最近のコントローラーは高いし、PS4なんかはプレ値、古いコントローラーに至っては販売も修理もしていないですからね。
何年たっても修理や販売してくれるので有ればこんな面倒な作業しなくても良いんですけどねぇ…。。。
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