レトロゲーム実験・比較(デジタル)

上画面液晶パネルが破損!旧3DSLL 分解修理方法!

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任天堂3DSいいですよねー。私は携帯ゲーム機大好きです。
GB、GBA、DSと歴史が進みついに3Dのー…とまぁここら辺はいいでしょうw
3DS初代2011年発売ですのでなんだかんだ10年以上前のゲーム機なんですよね。

  • 小型の初代3DS、大型化した3DSLL
  • 3D機能・折り畳み機能を排除し、1枚の板型にした廉価版の2DS
  • 対応ソフトとスティックが追加されたNew3DS・New3DSLL

大まかにわけても5種類3DSシリーズがあります。
3DSはバーチャルコンソールも含めて遊べるゲームが多いので愛用者も多いと思うのですが最近3DS・WiiUのダウンロード販売類のサービスが終了する旨が告知されました。

これだけ歴史があるわけですし、修理は当分続けていくのかなーと思いきや実は去年の2021年に公式での修理も終了しています…。
まだまだ遊べる3DS系統ですが、公式がバンバン終了してしまったからでしょうか。
私の元にも1台旧型3DSLLが運び込まれてきました。
※ちなみに「New3DS」「New3DSLL」「2DS」の修理は2022年7月現在まだ受け付けているようです
あくまで旧型3DSシリーズの公式修理が行われていないとの事です。

見てください!これっ!!バッキバキですよぉ!!

バキバキやないかワレェッッ!!!w

一体何をどうしたらこうなるんや…??
下画面と間違えて全力でつついたんか…??
そもそもスライドパッドスティックも取れてるー!!!www

先ほどお話ししたように公式での修理が終了しているため私に依頼が来ました。
一応非公式修理業者があるのでそちらでは対応しているみたいですが…、まぁ、ね?
正直全力で自信が無かったのですが「壊してもいい」という許可を頂いているので頑張ってみようかと思います。

というわけで今回は無茶ぶりNintendo3DSLL上画面液晶パネルの交換修理です!!(/・ω・)/
成功するんか…??これ??

※当然自己責任でお願いいたします

旧3DSLL修理

まずは確認

確認も何も液晶バッキバキですね。
私は大体、修理に入る前に修理の方向性を考えてチェックしながら進めていくのを基本としています。
まぁバッキバキの破損状態ですから液晶画面は交換するしかありません。

スティック直さなくていい(!?)と言われたのでまぁスティックは後回しです。
交換っていうのは簡単ですが、3DSって折り畳みゲーム機なので難易度高いと思うんですよね。
「DS系統」ヒンジ(可動部)修理したときに「2度とやりたくない」と思ったので難易度は高いはず。

先駆者の皆様がいらっしゃると思うのでこういう時はインターネットの海彷徨いながら情報収集をしましょう!!

……と思ったのですが、思った以上に情報が少ない
検索が下手だったのか、ネットに情報が少ないのかわからないですが、完全な情報が少なすぎます。
フワッとした情報は結構あるのですが、「旧3DSLL」情報が少ない

「旧3DS」「New3DS系」動画も含めて完全分解情報がかなり有るのに、本当に綺麗に旧3DSLLが少ないんです。
なんでだ??3DSLLは私も所持していますが、良い機種です。
壊れにくいんでしょうか??
New3DSLL中身が一緒なら嬉しいと思ったのですが、結構違う感じがする…?
バッテリーの位置、基盤の形、ボタンの有無も含めてぱっと見は結構違うんですよね

幸い途中までの情報まぁまぁ有るのでそれを参考にしながら探り探りで分解していって、パーツを交換していこうと思います。
パーツはAmazonで購入。有名なあすか製品ですね。

旧3DS分解

外装分解

GB系統のようにY字ドライバーペンタネジ等の特殊ドライバー使わないで分解できます。
基本的には+ドライバーでほぼ全て分解できます。
プラスチックヘラ六角レンチ(後述)などがあると便利ですね。

まずは外装カバーを外すために赤い丸で囲った部分のネジを外していきます
ネジを外してからは本体下部から上に持ち上げるようにしてカバーを外していきます
プラスチック製のヘラなどを入れて開けてもいいと思います
外装パネルを外してバッテリーを外します

!!これ以上の分解をする場合SDカードは必ず抜いてください!!

緑丸の部分は隠しネジ部分なのでゴム部分を外してからネジを回していきます
紫丸の部分はそのままネジを回せるので全て外していきましょう

ここからは本体裏面外装を外していくのですが…

  1. 開封時にヘラなどで開ける
  2. LRボタンのケーブルが接続されているので切断しないようにする
  3. 「L」のように蝶番ちょうつがいを開けるイメージで開ける

とこんな感じです。
ゲームカードスロットの方から開けるように気を付ければ平気です!

赤い枠で囲った部分がLRボタンのリボンケーブルです
何度も言いますが無理やり殻割りすると切断するので気をつけましょう!
LRボタンが接続されているリボンケーブル基盤側から取り外していきます
ヘラマイナスドライバーなどで真上に持ち上げる「パチっ」と小気味いい音と共に外れてくれます

スティック部分の分解

コントローラースティック部分を分解していきます。

  1. スティック基盤を止めているネジを外す
  2. 真っ直ぐ上に持ち上げます(こちらもリボンケーブルで接続なので切断注意)
  3. 基盤側のラッチを持ち上げてリボンケーブルを外します
  4. 本体に残ってるスティックは回しながら外します(取り外す必要が無ければそのままで)

基盤部の取り外し

ここからは基盤本体分解していきます

  1. Wi-Fi受信機を上に引き上げて外す
  2. Wi-Fi受信機と緑色のケーブルを取り外す
  3. 左下部分にあるマイク基部を取り外す
  4. 基盤に接続されている各種リボンケーブルを取り外す
  5. 基盤についているネジを取り外す
  6. 基盤を「L字」に開いていく
  7. 基盤と液晶パネルが接続されているリボンケーブルを取り外す

手順が少し多いです。
基盤を外す際は外装を取り外すときと同じように「ケーブルを切断しないように」取り外します

Wi-Fi受信機は真上に引き抜けば簡単に取り外せます
受信機は緑色のケーブルが接続されているので根本から「パチっ」と外します
リボンケーブルをすべて取り外したら基盤ネジを取り外していきます
赤枠部分がネジ部分なので結構多いです。外装ネジとはもちろん違うネジなので混ざらないようにしましょう
基盤ネジを外したら外装と同じ様に「L字」イメージで開いていきます
開いた後はおなじみのラッチコネクタを引き上げてリボンケーブルを取り外せば基盤と液晶パネル部分の取り外しは終了です!

上下画面のヒンジ分解

  1. 下画面パネル裏側(電源スイッチ付近)ヒンジ固定部にマイナスドライバー等を差し込む
  2. ヒンジ固定パーツをゆっくりスライドさせていきます
  3. 上液晶画面のゴムに隠れたネジを緩めていきます
  4. 上画面外装をスライドして取り外します
  5. 固定パーツが完全にスライド出来たらそちらだけ浮かすように外します
  6. もう片方のヒンジ部からリボンケーブルを下画面側から抜いていきます

このヒンジ分解上画面液晶ケーブルの引き抜き最難関ポイントです。
正直初見でこれは本当に難しかったです。
今回の分解修理でその2点一番時間がかかりました…。。。
二度とやりたくない(´;ω;`)w

緑枠で囲んだチラッと見える乳白色のパーツがヒンジ固定部分です
ここに細いものを突っ込んで横に押し込んでスライドさせていきます

もう一度言いますがここが最難関。
やってみてからわかったのですが少しでも参考になるようにいくつかポイントを書いていきます。
この乳白色パーツ横から見る「◎」のような形をしています。

  • 「◎」外側乳白色プラスチックパーツ
    内側金属パーツ2重構成になっています
  • マイナスドライバー丸の中心、金属部分を狙ってゆっくり押し込んでいきます
  • これは多分ですが個体差が強く、私のはかなり堅めでした
  • スライドさせて押し込んでいくとマイナスドライバーでは難しくなる場合
    そんな時は小型の「六角レンチ」「先の曲がった棒」などで押し込んでいきます

後述の上側パネルの外装を外すどれだけ固定パーツが動いているか確認できます。
このヒンジ固定パーツは本当にかなり力を入れないと動かない場合もあるので割らない様に気をつけましょう。

外側パネルを外せば外側から赤枠部分のようにどれだけヒンジ固定パーツが外せているか確認できます
しっかり動いていなければ固定パーツを頑張って押し込んでください
完全に押し込めたらこちら側だけ写真のように浮かせていきます
固定パーツと反対側のヒンジを取り外していきます
金属製スリーブがついているのでこれは上側液晶パネルに残した状態で取り外していきます

この「金属製スリーブ」必ず上画面に残したままで進めていきます
もし下画面にスリーブが残っている場合スリーブを上画面の方に移動させておきます

リボンケーブル3本を下画面の切り込み部からゆっくり切らないように引き抜きます
ケーブルを抜いたらWi-Fiケーブルを引き抜きます

これでやっとこさ上画面下画面分離が完了です。
下画面液晶パネルの交換だけする方はここで交換すればOK。
上画面液晶パネルの交換はここからも地獄です^^

上画面液晶パネルの交換

まだあるの!?!?となりますがむしろ今回の修理はここからが本番です。
交換が終わった今だから言えますが、3DSは上画面液晶パネル交換が一番面倒です。

  1. 上画面液晶パネル交換前にマジックなどでケーブルの位置を書いておきます
  2. リボンケーブルを金属スリーブの内側を通します
  3. スピーカー基盤部のコネクタのラッチを上げてケーブルを外す
  4. 液晶パネルからケーブル類をがします
  5. 新しい液晶パネルを古い液晶パネルと同じ様にケーブルを配置して交換します
  6. ここまでの全ての手順を反対にして組み立てていき、完成です!

この金属スリーブの内側にケーブルを通すのがもう一つの最難関です。
これを失敗した場合ケーブルは全交換
液晶画面交換後も当然ケーブルを通していかなくてはならないので本当に大変でした。。。

まずは古いパネルを外す前に写真のようにケーブルの位置を書き込んでおくと後が便利です
古いパネルは交換となるので油性ペンなどが消えなくてGoodです
ここが最難関のケーブル通しです断線したら終わるので慎重に

このスリーブ通し本当に難しいです。コツはもう慣れる事しかないと思います。

  • プラスチックピンセットなどを使いしっかり丸める
  • 絶対に金属スリーブのフチに当てないようにする
  • 焦らない、ケーブルを折らない

あたりが強いて言うならば程度のコツです。
金属ピンセットケーブルを傷つける可能性があるので持っていればプラピンセットが良いと思います。
金属スリーブフチかなり鋭利なので、触れた状態でケーブルに力を入れれば「ビリ」ッと簡単に裂けてしまいます。

無事通せたらここでケーブルの順番を写真に撮っておくといいです。
パネル交換の場合今度は通していく作業をするので写真を撮っておくとケーブルの順番の間違いの防止や、組み込みが便利だと思います。

左スピーカー側のスイッチ基部をネジで取り外し、ラッチを上げて液晶パネルに繋がっているケーブルを取り外します
接続されている全てのケーブルが取り外せたなら上画面液晶パネルを取り外していきます
リボンケーブル類を金属部からはがしていき、外装から画面を取り外します

この時に保護パネルがかなり強力に接着されている場合があるのでゆっくり取り外しましょう。
内側の「液晶パネル」交換する場合割れても困りませんが、「保護パネル」は再利用します。

外した時と同じように金属スリーブにケーブルを通していきます

またかよ!!ってぐらいにここが個人的には難しかったです。
難易度向上の理由の一つ「丸め癖がついていないケーブルが混ざっていること」が挙げられると思います。
手先が器用な人はサクッと行けると思いますが、本当に難しかったです。

先に外側「一番細いケーブル」をゆっくり通していき、その後に「太い2本」ケーブルを通す手法で私は解決しました。
もしできるのであればケーブル通し専用の「筒状の治具」を作ったりすると便利かもしれません。

ここが問題なく通せればあとは全て逆手順で組み上げていきます。
組みあがったら完成!!
この時に「Wi-Fi基部の接続不良「ケーブルの断線が起きていると電源自体がつかないようです。
仮組をした状態での電源ONも不可能らしいのでしっかりと組みあげてから電源をオンにしましょう。

長くにわたった液晶パネル交換。おそるおそる電源を入れてみると…。。。

うごいたああああああああ!!!!!!

やりました!!しっかりと上画面が復活しました!!
3D機能も問題なく動きますし、完全修理が成功!!
もう絶対失敗したと思いましたよ!!!

交換修理動画

今回の液晶画面交換の修理ですが公開配信して生放送を行っていました。
作業時間6時間越え。めちゃくちゃ苦戦しながらの成功だったので喜びもひとしおでしたね…

旧3DSLLの上画面液晶交換動画! 【タイムラプス動画】

その時の交換修理動画をアーカイブとして倍速動画にして公開しました!
細かい手順などは見えにくいかもしれませんが、分解の雰囲気を感じていただけると幸いです^^

修理は完了しましたが…

さてさて上液晶画面修理は無事完了!!
電源をONにしてから各部動作確認、ゲームソフトの起動も問題なし。
Wi-Fi接続機能も問題なくインターネットに接続完了!

はい!私できる子!!
…と、言いたいところですが、スティック壊れたままなんですよねぇ。
一応「修理はしなくていい」とのことですが、顧客満足度…あげたいやん??と調子に乗り始めました。

スティック部分は「折れている」だけなのでスティックパーツを交換すれば問題なく修理できそうです。
一度分解していますし、仕組みも分かったので難易度も相当低いです。
正直上画面の液晶交換に比べたら全部余裕レベル。

というわけで後日パーツを発注して交換しておきました。

スティックパーツ交換

  1. 外装分解→スティック基盤を取り外すまでは一緒です
  2. 本体に残っているスティックパーツを取り外す
  3. 新しいパーツを取り付ける
  4. あとは逆手順で組み立ていく
今回取り寄せたスティックパーツ。液晶画面ほど繊細な部品ではないのでノーブランド品を選定
途中までは液晶画面の交換と全く一緒です。正直最初からパーツ取り寄せていれば2度手間は無かったのですが…w
リボンケーブルをラッチコネクタから外してスティック基部を取り外します
こちらが折れたスティック部分。新品パーツを見て気づいたのですが本来黒いパーツは下画面側に残留するものです
本来ならばスティックは本体に挟み込めれているような形で残り、写真のように分離するようになっています
スライドパッド部分が折れてしまったため一緒に抜けていたんですね
スティック本体を取り外し、プラワッシャースティック基盤は流用します。こちらは故障していないですから
新品スティックの取り付け方はまず切り込みに半分通して、回すようにはめていきます
取り付けは写真のようにしっかりと挟み込まれている形で収まっていればOK
本来は取り外すときにこの逆手順で回転させながら外します
スティック基盤を基盤に取り付けて、ねじ止めする前に赤枠をしっかり合わせながら基部とスティックをはめてからネジを締めます
あとは外装をもどして組み上げれば完了です!
無事スライドパッドの取り付けも完了しました!!
ノーブランド品ですが特に違和感もなく、問題なくスライドパッドも作動します!

これで完全修理が完了!

はー!!長かった!!やっと終わったよ!!
正直iPhone分解交換よりえぐいです。
いや、慣れだとは思うんですけどね。

今回はたまたま上手くいきましたが上画面液晶パネルの交換本当に難易度が高いですね。
コツを覚えれば慣れてきてーというのはどれも同じですが、リボンケーブルを切断してしまうプレッシャーがヤバい。

分解してみてわかりましたが3DSLLはかなりギッシリしっかり機械が詰まっています。
難易度は高いですが、それだけ工夫が詰め込まれていているのも事実です。
ヒンジ部分の取り外しも大変ですが=耐久度が高いということでもあります。

ゲームボーイレベル頑強さは無いの、よく考えられている丈夫な作りです。
流石任天堂。子どもが遊ぶ前提の物作りでなんだかんだ感動しました。
とはいえ2度と分解したくないですねwww

クライアント様にお渡しして喜んでいただけて何よりです^^
いや!今回は絶対無理だと思いましたが、諦めない心!大事!!
本当に自分が分解するときに旧3DSのデータが無さすぎたので、この備忘録が誰かの役に立てば幸いです。
今回の分解は私のいつかの夢「偽トロ」導入の為の知識を入れる為に凄く参考になったのは内緒です

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